この記事でわかること
- 信託報酬とは何か、いつ・どのくらいかかるのか
- 信託報酬の違いが長期運用にどれほど影響するか(シミュレーション付き)
- 信託報酬が安いファンドを選ぶ3つの具体的なコツ
- 信託報酬以外にチェックすべきコストの落とし穴
信託報酬ってそもそも何?
「運用してもらう対価」として毎日引かれるコスト
投資信託を持っている間、ずっとかかり続けるコストが信託報酬です。運用会社・販売会社・信託銀行の3者に支払われる手数料で、ファンドの純資産総額に対して年率(%)で表示されます。毎日少しずつ基準価額から差し引かれるため、目に見えにくいのが特徴です。
たとえば信託報酬が年率0.1%のファンドに100万円を投資した場合、1年間のコストはおよそ1,000円。一方、年率1.0%のファンドでは約10,000円と、10倍もの差が生まれます。
つみたて投資で選べるファンドの信託報酬の目安
金融庁が定めたつみたてNISA(現・新NISA「つみたて投資枠」)の対象ファンドは、信託報酬の上限が設けられています。インデックスファンド(株式)の場合は年率0.5%以下が要件のひとつです。近年では競争激化により、0.05〜0.2%台の超低コストファンドも増えています。
「長期投資において、コストは唯一コントロールできるリターンの変数である」
― 投資の世界で広く引用される格言
信託報酬の差が将来の資産にどう影響するか
30年間・毎月1万円つみたてシミュレーション
年率リターンを5%と仮定し、信託報酬の違いだけを変えた場合を比較してみましょう。あくまで試算であり、実際の運用成果を保証するものではありません。投資には価格変動リスクがあり、元本割れの可能性もあります。
| 信託報酬(年率) | 実質リターン(想定) | 30年後の試算額 | 差額(0.1%比) |
|---|---|---|---|
| 0.1% | 約4.9% | 約831万円 | ― |
| 0.5% | 約4.5% | 約788万円 | 約▲43万円 |
| 1.0% | 約4.0% | 約735万円 | 約▲96万円 |
| 1.5% | 約3.5% | 約684万円 | 約▲147万円 |
信託報酬が0.1%と1.5%では、約147万円もの差が生まれます。積立元本(360万円)と比べても無視できない金額です。コスト管理が長期投資の鍵といわれる理由がここにあります。
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信託報酬が安いファンドを選ぶ3つのコツ
コツ① インデックスファンドを選ぶ
プロが銘柄を選び運用する「アクティブファンド」は信託報酬が1〜2%台になることも多いのに対し、市場の指数(インデックス)に連動するインデックスファンドは0.05〜0.5%台が中心です。長期のつみたて投資では、コストの低いインデックスファンドがパフォーマンスで上回るケースも少なくありません。
コツ② 「実質コスト」も確認する
信託報酬だけでなく、ファンド内部で発生する売買委託手数料・保管費用などを合算した「実質コスト(総経費率)」も要チェックです。交付目論見書や運用報告書に記載されており、信託報酬に0.05〜0.1%程度上乗せされることがあります。
コツ③ 同じ指数を追うファンドを横並びで比べる
「S&P500連動」「全世界株式(オールカントリー)連動」など、同じ指数を追うファンドが複数あれば、信託報酬の安い方が単純にコスト有利です。以下のような視点で絞り込みましょう。
- 追う指数(ベンチマーク)が同じか確認する
- 信託報酬と実質コストを比較する
- 純資産残高が大きい(50億円以上が目安)ファンドを選ぶ
- 運用年数が長く、トラッキングエラー(指数との乖離)が小さいか確認する
信託報酬以外に見落としがちなコスト
購入時手数料と解約時の信託財産留保額
信託報酬が低くても、購入時手数料(販売手数料)が3%以上かかるファンドは総コストが高くなります。つみたてNISAの対象ファンドは販売手数料ゼロ(ノーロード)が条件のひとつなので、この点は安心です。また解約時に信託財産留保額(0〜0.3%程度)がかかるファンドもあるため、目論見書で確認しましょう。
なお、本記事は投資の勧誘を目的としたものではありません。投資は自己責任で行い、価格変動リスクや元本割れのリスクをご理解のうえ判断してください。
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まとめ
- 信託報酬は毎年かかる運用コスト。低いほど長期で有利になる
- 0.1%と1.5%の差が30年で約147万円の差になることも(あくまで試算)
- インデックスファンドは信託報酬が低く、つみたて投資と相性が良い
- 信託報酬だけでなく「実質コスト(総経費率)」も必ず確認する
- 同じ指数を追うファンドは横並びで比較し、コストが低い方を選ぶ
- 投資にはリスクがあり、元本保証はない。最終的な判断は自己責任で