つみたて投資 2026.06.06

複利とは?「雪だるま式」にお金が増える仕組みを初心者向けに解説

投資の話で必ずと言っていいほど登場する「複利(ふくり)」という言葉。なんとなく「お金が増える仕組み」と分かっていても、単利との違いや、なぜ長期投資と相性がよいのかまで説明できる人は意外と少ないものです。今回は、利息が利息を生む「雪だるま式」の仕組みを、数値シミュレーションを交えながらやさしく整理します。

この記事でわかること
  • 複利とは何か、「単利」との違いはどこにあるのか
  • 複利が「雪だるま式」と呼ばれる理由を数値でイメージできる
  • なぜ複利は「長い時間」と「再投資」がカギになるのか
  • 複利に過度な期待をしないために知っておきたい注意点

複利とは?まずは単利との違いから

複利とは、ひとことで言えば「利益が、その利益も含めた元手に対してさらに利益を生む」仕組みのことです。最初に預けた元本(がんぽん)だけでなく、増えた分にも次の利益がついていくため、時間が経つほど増え方が大きくなっていきます。これに対して、元本に対してだけ利益がつくのが「単利」です。

言葉だけだとわかりにくいので具体例で

たとえば100万円を、年3%で運用できたと仮定します(あくまで仕組みを説明するための仮の数字で、将来の利回りを示すものではありません)。単利と複利で、増え方がどう違うのかを比べてみましょう。

経過年数単利の場合複利の場合
1年後103.0万円103.0万円
5年後115.0万円約115.9万円
10年後130.0万円約134.4万円
20年後160.0万円約180.6万円
30年後190.0万円約242.7万円

1年後はどちらも103万円で差がありません。ところが30年後を見ると、単利は190万円、複利は約242万円と、50万円以上の差がついています。これは複利が「増えた利益の上に、さらに利益が乗っていく」からです。年数が長くなるほど差が開いていくのが、複利の最大の特徴です。

なぜ「雪だるま式」と呼ばれるのか

複利はよく「雪だるま式に増える」とたとえられます。小さな雪玉も、転がして雪を巻き込みながら進むほど、表面積が増えて雪がつきやすくなり、どんどん大きくなっていきます。複利もこれと同じで、増えたお金が次の利益のもとになり、その利益がまた次のもとになる、という連鎖が起きます。

後半になるほど効いてくる

注意したいのは、複利の効果は最初の数年ではあまり実感できないという点です。先ほどの表でも、差がはっきり開いてきたのは10年を過ぎたあたりからでした。雪だるまも、転がし始めはなかなか大きくなりませんが、ある程度大きくなると一気に成長します。複利も同じで、「時間をかけるほど後半で加速する」という性質があります。だからこそ、早く始めて長く続けることが、複利と付き合ううえでの基本になります。

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複利を生かす2つのカギ|時間と再投資

複利の効果を引き出すには、大きく2つの条件があります。「長い時間」と「利益の再投資」です。どちらが欠けても、雪だるまは思うように育ちません。

カギ1:できるだけ長い時間をかける

同じ金額・同じ利回りでも、運用できる期間が長いほど複利の差は大きくなります。たとえば毎月3万円を年3%で積み立てたと仮定すると(これも仮の数字です)、おおよそ次のようなイメージになります。

積立期間積み立てた元本運用後の目安
10年(月3万円)360万円約419万円
20年(月3万円)720万円約985万円
30年(月3万円)1,080万円約1,748万円

元本の合計は期間に比例して増えるだけですが、運用後の金額は後半ほど大きく伸びています。30年では、元本1,080万円に対して運用益が約668万円と、利益が大きな割合を占めるようになります。これが「時間を味方につける」ということです。

カギ2:利益を引き出さず再投資する

複利は、得られた利益を引き出さずに運用に回し続けることで成り立ちます。たとえば投資信託には、分配金を出さずに内部で再投資するタイプ(無分配型)があり、こうした商品は複利の仕組みと相性がよいとされます。逆に、利益が出るたびに引き出してしまうと、雪だるまのもとになる雪が減ってしまい、複利の効果は弱まります。「増えた分をそのまま働かせ続ける」という姿勢が、複利を生かすコツです。

複利を「魔法」と思い込まないために

複利は強力な仕組みですが、万能の魔法ではありません。期待しすぎると、かえって判断を誤ることもあります。最後に、初心者が押さえておきたい注意点を整理します。

注意点なぜ大切か
利回りは保証されない本記事の数字はすべて仮の前提。実際の投資は値下がりして元本を割ることもある
右肩上がりが前提ではない相場は上下を繰り返す。複利の試算は「平均してプラス」を仮定した単純計算にすぎない
コストも複利的に効く手数料や信託報酬が高いと、増える側だけでなく減る側にも複利が働く
途中で取り崩すと効果が弱まる増えた分を引き出すほど、再投資される元手が減り雪だるまが育ちにくい

とくに見落としがちなのが、コストの影響です。利益が複利で膨らむのと同じように、毎年かかる手数料も「複利的にマイナス」へ効いていきます。だからこそ、低コストの商品を選ぶことが長期では効いてきます。信託報酬については投資信託の信託報酬を比較するコツの記事もあわせてご覧ください。また、複利の試算はあくまで一定の利回りを仮定した単純計算であり、実際の相場は上下動を繰り返します。値動きとの付き合い方はドルコスト平均法とは?も参考になります。

なお、本記事は特定の投資手法や金融商品を推奨するものではありません。投資には価格変動・為替変動などのリスクがあり、元本は保証されません。最終的な投資判断は、ご自身の状況をふまえて自己責任で行ってください。

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まとめ
  • 複利とは「増えた利益にも、さらに利益がつく」仕組みで、単利より後半で大きく差がつく
  • 「雪だるま式」と呼ばれる通り、効果は時間が経つほど加速していく
  • 複利を生かすカギは「長い時間」と「利益を引き出さず再投資すること」
  • 利回りは保証されず、コストや取り崩しはマイナス方向にも複利的に効く
  • 本記事の数字はすべて仮の試算。投資にはリスクがあり、判断は自己責任で

※本記事は情報提供を目的としたものであり、投資勧誘や特定の金融商品の推奨を行うものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。詳細は免責事項をご確認ください。